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障がい者サッカー選手の就労状況に関するアンケート調査報告について

JIFF
2026.02.26

日本障がい者サッカー連盟(JIFF)は、誰もがサッカーにアクセスできる多様な「機会」と「選択肢」を届ける「アクセス・フォー・オール」の趣旨に基づき、サッカーに「関わる」選択肢のひとつである「働くこと(=雇用)」に関する現状を把握するため、JIFFに加盟する障がい者サッカー7競技団体の協力のもと、障がい者サッカー選手を対象とした就労実態調査を実施しました。
本調査は、障がい者サッカー選手の就労の現状や課題を明らかにするとともに、雇用促進と共生社会づくりの推進を目的としており、2025年7月4日から9月30日にかけて実施しました。このたび、以下の通り調査結果をまとめましたので、公開させていただきます。

ご協力いただきました選手および関係者の皆様に心より感謝申し上げます。

※本調査は、日本ドワーフサッカー協会が準加盟となる前に実施したものです。

障がい者サッカー選手の就労状況に関するアンケート調査報告(要約)

日本障がい者サッカー連盟(JIFF)は、サッカーに「関わる」選択肢のひとつである「働くこと(=雇用)」に関する現状と課題を明らかにし、雇用促進と共生社会づくりを推進することを目的に、障がい者サッカー選手向けの就労実態調査を2025年7月4日~9月30日の期間に実施しました。

本調査はJIFFに加盟する障がい者サッカー7競技団体(※1)に登録する選手および登録クラブチームに所属する選手1,544名を対象に実施し、421名から有効回答を得ました(回収率27.3%)(※2)。

※1 日本アンプティサッカー協会、日本CPサッカー協会、日本ソーシャルフットボール協会、日本知的障がい者サッカー連盟、日本電動車椅子サッカー協会、日本ブラインドサッカー協会、日本ろう者サッカー協会

※2 本調査では、主要な論点について一定の示唆を得ることができる一方で、全対象を網羅するものではないため、結果の解釈にあたっては回答者特性の偏り等を考慮する必要があります。

 

1.調査目的

障がい者サッカー選手の就労状況を調査し実態を把握すること。サッカーに「関わる」選択肢のひとつである「働くこと(=雇用)」に関する現状と課題を明らかにし、雇用促進と共生社会づくりを推進すること

 

2.調査方法

(1)調査方法

アンケート調査を実施。調査依頼をメールにて展開し、Googleフォームでの回答またはWordファイルに記入してもらいメール送付で回収した。なお、知的障がいのある回答者に対しては、特性に配慮し、設問表現を平易化するとともに、選択肢の数および形式を調整することで回答負荷を低減した。また、場合により支援者等の同席による回答を許容するなど、回答環境にも配慮した。

(2)アンケート配布・回収期間

2025年7月4日~2025年9月30日

(3)調査対象

JIFFに加盟する障がい者サッカー7競技団体(日本アンプティサッカー協会、日本CPサッカー協会、日本ソーシャルブットボール協会、日本知的障がい者サッカー連盟、日本電動車椅子サッカー協会、日本ブラインドサッカー協会、日本ろう者サッカー協会)に登録する選手および登録クラブチームに所属する選手

(4)回収状況

本調査は、対象者1,544名に対し484名から回答を得て、421名が有効回答だった(回収率27.3%)。主要な論点について一定の示唆を得ることができる一方で、全対象を網羅するものではないため、結果の解釈にあたっては回答者特性の偏り等を考慮する必要がある。

回答者の実施競技カテゴリー(障がい種別) 競技略称 回答者数 対象者数(登録選手数等) 回収率(有効回答)
アンプティサッカー(切断障がい) アンプティ 27 93 29.0%
CPサッカー(脳性麻痺) CP 28 108 25.9%
ソーシャルフットボール(精神障がい) ソーシャル 75 334 22.5%
知的障がい者サッカー/知的障がい者フットサル(知的障がい) 知的 202 470 43.0%
電動車椅子サッカー(重度障がい) 電動車椅子 29 168 17.3%
ブラインドサッカー/ロービジョンフットサル(視覚障がい) ブラインド/ロービジョン 16 251 6.4%
デフサッカー/デフフットサル(聴覚障がい) デフ 44 120 36.7%
合計 421 1,544 27.3%

(5)調査主体

一般社団法人日本障がい者サッカー連盟(JIFF)

 

3.調査結果(要約)

就労状況については、回答者の89.1%が「就労している」と回答し、就労率は高い傾向がみられました。一方で就労形態は多様であり、障がい者採用枠の正社員が最多(28.5%)であるものの、契約社員等の非正規雇用も一定数存在していました。

また、就労者(375名)のうち、アスリート雇用や競技活動支援を受けていない割合は80.5%に上り、競技と仕事の両立を支える制度は限定的であることが分かりました。支援がある場合は、活動費支援、遠征費補助、勤務調整、出社免除等が挙げられました。

職種は「人事・総務・経理・事務」が最多(19.2%)で、次いで「清掃・美化」(14.1%)、「製造・工場」(12.3%)が続き、職域に一定の偏りがみられました。就労満足度では、総合満足度に比べ「収入面」および「競技活動との両立」の満足度が低い傾向が確認されました。課題としては「待遇に不満がある」に続き、「競技との両立が難しい」「体調に不安がある」「やりがいを感じられない(仕事内容が簡単すぎる)」「職場環境が合わない(配慮が不足している)」などが挙げられました。さらに、キャリア支援については、研修や面談などが「ある」と回答したのは38.9%にとどまりました。

就労していない層(46名)では、「就労経験なし」および「半年未満」が多く、退職理由としては「体調不良」が最多でした。就労に関する相談先は「担当医」「就労支援事業所」など医療・福祉に寄る傾向がみられました。

今後の意向としては、キャリア目標が「ある」と回答したのは42.5%、転職・再就職希望は25.7%でした。また、44.4%が「仕事としてサッカー・フットサルに関わりたい」と回答しました。

自由記述では、差別や偏見、職域不足、正社員化の難しさ、精神面の支援の必要性、アスリート雇用のあり方への課題などが挙げられ、雇用拡大と同時に理解促進および支援設計が不可欠であることが示されました。

 

4.総括

本調査の結果、回答した障がい者サッカー選手の就労率は89.1%と高い水準にあることが明らかとなりました。雇用形態は非正規雇用を含め多様で、収入面や競技活動との両立に関する満足度が相対的に低いなど、安定したキャリア形成に向けた課題も確認されました。また、アスリート雇用や競技活動を支える制度については、約8割の選手が支援を受けていない状況にあり、競技と仕事の両立を支える仕組みは十分に広がっていない実態が示されました。

職種については事務職や清掃、製造などに一定の偏りがみられ、障がい特性や個人の能力・専門性を活かした職域の拡大やキャリア支援の充実が求められる状況にあります。さらに、自由記述では差別や偏見、職場における理解不足などに関する声も寄せられており、雇用機会の拡大とあわせて、企業や社会における障がい理解の促進が重要であることが示されました。

一方で、約4割の選手が仕事としてサッカー・フットサルに関わることを希望しており、スポーツを通じた社会参加やキャリア形成への関心の高さも確認されました。

これらの結果を踏まえ、JIFFでは競技活動と仕事の両立を支える環境づくりや、企業・地域との連携による雇用機会の創出・職域拡大、障がい理解の促進に取り組むことで、サッカーを通じた共生社会づくりを一層推進していきます。

 


 

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