【活動報告】知的障がい者サッカー女子日本代表エキシビションマッチを伴う強化合宿
2025年5月31日〜6月1日、知的障がい者サッカー女子日本代表チームは神奈川県にて大和シルフィードのインクルーシブスタジアムデーの取組の一環であるエキシビションマッチを伴う強化合宿を行いました。
【監督総括】
2022年度、2023年度は スペシャルオリンピックスUAE女子ユニファイドフットボールチームとの交流プログラムにおいて 7 人制で編成された女子日本代表チームでしたが、今回は初の11人制でチーム 編成しました。
準備期間は短かったものの、事前に選手にはコンセプト及びコンセプト映像を共有し、また事前のオンラインミーティングでも 、攻撃・守備・GP・セットプレーのチーム戦術を確認しました。一日目の集合時には、雨天のため会場変更、雷による一時中断などの予定変更を余儀なくされましたが、選手たちは冷静に対応してくれました。
一日目は、藤沢清流高校女子サッカー部さんにトレーニングパートナーを務めていただき、自陣での粘り強い守備からの素早い攻撃のチームコンセプトを落とし込む 試合形式のトレーニングを実施しました。トレーニング前半は、ポジション別ファンクショントレーニングで各自のタスクと約束事を確認し、トレーニング後半はゲーム形式でチーム全体としてどのように奪い、そして攻撃するかを整理していきました。藤沢清流高校女子サッカー部さんの質の高い攻撃をただ守るのではなく、チームとして奪いどころを定め、素早く攻撃に転じることを目指しました。特に良かった点としては、試合で起こりうる多くのエラーをエキシビションマッチ前日のトレーニングで選手が体感できたことが挙げられます。我々女子日本代表チームに対して、全力で攻撃し続けてくれた藤沢清流高校女子サッカー部さんに感謝します。
二日目のアップで、奪った後の攻撃の質について調整しエキシビションマッチに臨みました。大和シルフィードアカデミーさんの鋭い攻撃 、身体を張った強いディフェンスに主導権を握る時間は少なかったですが、前日のトレーニングの成果は大きく、 チームとして前向きで奪った時には素早く攻撃に転じるプレーを作り出すことができました。ただ、奪った後のボールロストも目立ちフィニッシュまで至らない、あるいは突破しかけけたシーンでもオフサイドにかかってしまう等、相手とのかけひき、ワンタッチプレーの質の部分で未熟さが残ったエキシビションマッチでもありました。試合を通して、質の高いサッカーを展開して頂いた大和シルフィードアカデミーさんのお陰で課題がより明確になった部分でもありました。感謝いたします。
一方、一泊二日の短期間でも、映像を確認しながらチームトレーニングを繰り返すことで、コンセプト理解が促進され、ピッチでのプレーに変化が見られる等、彼女達の能力の高さもうかがえました。
今回の一泊二日の合宿では、選手達は代表ウエアを着用し公共交通機関を移動し、また国内で初めての試合ということもあり、多くの方々の前で行動することができました。人前で注目される経験は選手の自己肯定感を育む上でも効果は大きく、電車内で「どこのカテゴリーの代表だろう？」と周囲から見られていました。また、宿泊先のグランドホテル神奈中平塚の皆さんは選手を温かく迎え入れて下さいました。さらに、大和なでしこスタジアムでは、なでしこリーグの選手と同じピッチという素晴らしい環境でプレーさせて頂きました。大和シルフィード・大和シルフィードアカデミーの皆様、JFA ・JIFF の皆様、スポンー・パートナーの皆様、グランドホテル神奈中平塚の皆様始め、ご声援くださいました皆様、関係の皆様には、エキシビションマッ
チ開催にあたり多くのご理解とご支援をいただき、選手が全力を出し切るための力をいただきました。この場をお借りして感謝と御礼を申し上げます。 一泊二日の合宿とはいえ、見違えるように選手達はたくましく成長しました。日頃から選 手を育てて頂いている所属チームの皆様、所属 FID の皆様には心より感謝と御礼を申し上げます。
引き続き知的障がい者サッカー女子日本代表へのご声援をお願い致します。
■知的障がい者サッカー女子日本代表選手・スタッフ一覧
GP 山下 莉奈 （静岡県）
GP 山口 加純 （静岡県）
DF 山下 七海 （静岡県）
DF 矢島 琴海 （東京都）※体調不良により全日程不参加
DF 工藤 彩華 （栃木県）
MF 大塚 恵美 （福岡県）
MF 前田 友花 （静岡県）
MF 大谷 萌 （東京都）
MF 後藤 千尋 （岐阜県）
MF 新田 里緒 （神奈川県）
MF 辻野 伶香 （長崎県）
MF 常葉 佳也子 （静岡県）
FW 鈴木 理惠 （神奈川県）
FW 内藤 奈保子 （大阪府）
監督 稲葉 政行
コーチ 石田 永愛
AT 野地 吾希夫
主務 長田 菜美子
