REPORT

講習会の集合写真

バルサ財団「SportNet方法論」指導者講習会

指導者活動
2023.02.12

2月4日(土)、5日(日)、12日(日)に大阪・東京・福岡にてバルサ財団による「SportNet方法論」指導者講習会が開催されました。バルサ財団はスペインのFCバルセロナの社会貢献部門が独立した組織で、独自に開発をした「SportNet方法論」を用いて、クラブの所在地であるバルセロナだけでなく、世界中で弱い立場に置かれている子どもや若者を支援しています。日本障がい者サッカー連盟は、講習会実施のための協力団体として2019年よりバルサ財団の活動をサポートしています。

今回の講習会にはサッカーをはじめスポーツの指導者や学校教員、福祉団体の職員など、日頃様々な形で子どもに関わる方々、そして年齢・性別・障がいの有無・活動地域等も異なる多様な方々が各回30名ほど参加しました。講習会の講師はスペインから来日したバルサ財団講師が務め、午前中の講義では方法論の目的・内容・コーチの役割について学び、午後は実際に方法論を用いたゲームやアクティビティを体験したり、自分たちで一つのセッションを考え発表する実践演習を行いました。最初は緊張している様子の参加者も、実践演習で一緒に身体を動かすことで緊張がほぐれ、参加者同士の繋がりも育まれました。また、異なるバックグラウンドをもつ参加者同士がチームとなって行うセッションづくりの際には、多角的な視点からの意見交換やアイデアが生まれました。これらのプログラムを経て参加者は、障がいの有無に関係なく誰もが楽しめるように、スポーツやあそびをどのようにインクルーシブにするかを学び、更に、それらのインクルーシブな活動を通じてどのようにソーシャルインクルージョンを達成していくのかについて理解を深めました。

日本障がい者サッカー連盟は、誰もが、いつでも、どこでもサッカーを楽しめる環境づくりを通じて、共生社会の実現を目指しており、バルサ財団が掲げるスポーツを通じたソーシャルインクルージョンやジェンダー平等の取り組みにとても共感をしています。しかし、これらの目標は決して一部のグループ・カテゴリーの人たちだけでは達成できません。そのため、今後もこのような講習会を開催する際は、講習会自体がインクルーシブであり、多様な意見が行き交う場であることを大切にし、引き続き国内外の様々な団体と連携しながら理念の実現を目指していきます。

JIFF担当者コメント:井上由惟子

毎年バルサ財団と連携して、インクルーシブな環境づくりができる指導者・ファシリテーターの育成に取り組めることを大変嬉しく思います。また今回の講習会でも、様々な地域で障がいのある子ども達を包括した活動を展開する(展開しようとしている)方々との新たな出会いを得られ、それぞれの熱意や日々の葛藤を肌で感じることができ、JIFFとしても大変気づきの多い時間となりました。講習会を修了された皆様が今後それぞれの現場に帰って、よりインクルーシブな実践を展開・普及してくださることを期待し、JIFFはそのような実践をどのように支えていけるか今後も考えていきたいと思います。サッカーやスポーツの現場で重要な役割を果たすすべての指導者の方が「インクルーシブ」の視点を当たり前に携えている、そのような未来の実現に向けて少しずつ進んできているように感じています。今後も歩みを止めず各所と連携しながらJIFFとしての役割を果たしていきたいと思います。