REPORT

JIFFインクルーシブフットボールフェスタ2018

イベント
2018.12.27

 一般社団法人日本障がい者サッカー連盟(JIFF)は、2018年12月23日(日)に東京都多摩市のフットサルステージで「JIFFインクルーシブフットボールフェスタ2018」を開催しました。

 本イベントは、障がい者と健常者が一緒にサッカーを楽しむことで心のバリアを取り除くことを目的に、JIFFに加盟する障がい者サッカー7団体と在京のJリーグ、なでしこリーグ、Fリーグの各クラブの協力を得て実施。当日は、JIFFの北澤豪会長やゲストの石川直宏さん(FC東京クラブコミュニケーター/元日本代表選手/元Jリーガー)も、参加者に混じってサッカーを楽しみました。

 今年度で3回目の開催となり、昨年度までは小学生を対象とした「インクルーシブフットボール」と一般参加の「障がい者サッカー体験会」のみの実施でしたが、さらに幅広く楽しめるよう「キフティング」と「まぜこぜスマイルサッカー」を追加し、バージョンアップしました。

2018年度実施内容

<第一部>
(1)障がい者サッカー体験会:
アンプティサッカー、電動車椅子サッカー、ブラインドサッカーの3つをすべて体験

(2)キフティング(寄付×リフティング):
個人のリフティングチャレンジを社会貢献につなげる寄付企画

<第二部>
(3)インクルーシブフットボール:
小学生を対象とした、障がい児と健常児の混合チームでプレーするフットサル

(4)まぜこぜスマイルサッカー:
障がいの有無も種別も、年齢もサッカー経験の有無も問わず一緒に楽しむウォーキングサッカー

 

 新たなプログラムでの開催により、参加者の幅が広がっただけでなく、複数コンテンツへの参加も多く、より深い体験・交流の機会となりました。また、今回は健常者だけでなく障がい児・者が「障がい者サッカー体験会」に参加し楽しむ姿も見られ、別の障がいに触れる機会の重要性を再認識することができました。

 一方で、3年目を迎えた「インクルーシブフットボール」では、各在京クラブのコーチ陣に尽力いただき、年々ブラッシュアップしています。子どもたちも自然に交流し、サッカーを楽しむ様子がうかがえました。今年から加わった「まぜこぜスマイルサッカー」では、誰もが楽しめる方法を模索しながら実施。まだ改善の余地はあるものの、参加者からは様々な人と一緒にプレーして楽しかったという声が多く寄せられました。

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北澤豪会長も子どもたちと一緒に楽しみました

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まぜこぜスマイルサッカーでは、普段一緒に戦う機会のない別の障がい者サッカー選手も一緒に対戦

 キフティングでは、子どもから大人まで参加し、サッカーを通じた社会貢献の新たな形を示すこともできたように思います。「キフティング」については別途レポート「寄付企画『キフティング』実施報告」をご覧ください。

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北澤会長と石川さんのリフティングに会場は大盛り上がり!

 また、今回は芸人のこにわさんにMCを務めていただき、終始会場を盛り上げてくれました。体験会では実際に体験しながらの実況、キフティングにも参加、インクルーシブフットボールやまぜこぜスマイルサッカーではその様子を楽しく実況してくれました。

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MCのこにわさん(右)が実際に電動車椅子サッカーを体験

 

JIFFは、このイベントを一度きりの「経験」や「思い出」として終わらせるのではなく、継続的な機会創出を促進し、当たり前に混ざり合いサッカーを楽しめる環境づくりに繋げていくことを目指します。

 

記録

来場者

■全体 282名
参加者:198名(参加者103名/スタッフ&コーチ95名)
その他:84名(見学・視察・メディア)

■コンテンツ別参加
障がい者サッカー体験会:40名
キフティング:60名
インクルーシブフットボール:52名
まぜこぜスマイルサッカー:40名

障がい者の参加

■インクルーシブフットボール
知的障がい、聴覚障がい、発達障がい、切断障がい、脳性麻痺、視覚障がい

■まぜこぜスマイルサッカー
脳性麻痺、電動車椅子、精神障がい、切断障がい、視覚障がい、聴覚障がい

 

コメント

北澤豪会長 閉会式挨拶

一緒に参加して、あらためてサッカーは楽しいなと素直に感じました。(このイベントを2016年から)3回開催してきて、インクルーシブにやれることは当たり前だなという印象を受けています。今回新たに「まぜこぜスマイルサッカー」にも参加しましたが、これも当たり前にやっていけるのではないかと感じています。

この次のステップをどうしていくかということも、我々がやっていかなければならないことです。ぜひ皆様にも力を貸していただいて、すべての人がスポーツ、サッカーがしやすい日本になるように活動していきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。

ゲスト・石川直宏氏 閉会式挨拶

短い時間でしたけど、非常に一体感を感じました。それぞれ選手の個性があったと思います。その個性が集まって凝縮されて、サッカーの魅力が新たに生まれる。今日そういうシーンをたくさん見ました。これからも自分の個性を大切にして、サッカーを楽しんで、続けていってほしいなと思います。本日はありがとうございました。

参加者の声

■インクルーシブフットボール参加者(知的障がい)
サッカーを通じてすごくつながりを感じられましたし、よかったと思います。楽しかったです。

■インクルーシブフットボール参加者(健常児)
試合が楽しかった。ゴールを決めて北澤さんとハイタッチしてもらったのが嬉しかった。

■インクルーシブフットボール参加者(聴覚障がい)
どんな障害があろうとも、サッカーを通してみんなが楽しめる事が嬉しいし、楽しいし、感動します。補聴器しているから地域のチームには入れてもらえなかったという経験もあり、ほら、こんなに思い切りサッカーできるんだぞ!と、誇らしい気持ちにすらなりました。
本当にありがとうございました。

■まぜこぜスマイルサッカー参加者(精神障がい)
別の障がい分野の方々や健常者の方々とも、なんら気にせず普通に自然と楽しく1つのボールを蹴れて、幸せでした。

■体験会参加者(健常者)
初めて体験して、仲間、協調性などの重要性を感じました。ありがとうございました。

■体験会、キフティング参加者(小学生)の保護者
こういう機会に恵まれて本人もいい経験ができたと思うし、今日は兄弟も初めて連れて来て、見るだけでもいい経験になったと思います。
(キフティングについては)こういう機会がないと、なかなか寄付をすること自体わからないことが多かったので、よかったと思います。

 

イベント概要

日程:2018年12月23日(日・祝)

会場:フットサルステージ(東京都多摩市落合1-47ニューシティー多摩センタービル8階)

主催:一般社団法人日本障がい者サッカー連盟

共催:NPO法人日本アンプティサッカー協会、一般社団法人日本CPサッカー協会、NPO法人日本ソーシャルフットボール協会、NPO法人日本知的障がい者サッカー連盟、一般社団法人日本電動車椅子サッカー協会、NPO法人日本ブラインドサッカー協会、一般社団法人日本ろう者サッカー協会

協力:FC東京、FC町田ゼルビア、東京ヴェルディ、日テレ・ベレーザ、スフィーダ世田谷FC、府中アスレティックFC、ペスカドーラ町田、公益財団法人日本ケアフィット共育機構、E’s Cafe

後援:東京都、多摩市、公益財団法人日本サッカー協会、公益社団法人日本プロサッカーリーグ、公益財団法人東京都サッカー協会

以上