JFA・Jリーグ・Jリーグクラブ等を対象とした障がい者雇用状況に関するアンケート調査報告について
日本障がい者サッカー連盟(JIFF)は、誰もがサッカーにアクセスできる多様な「機会」と「選択肢」を届ける「アクセス・フォー・オール」の趣旨に基づき、サッカーに「関わる」選択肢のひとつである「働くこと(=雇用)」に関する現状を把握するため、公益財団法人日本サッカー協会(JFA)、公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)、全国のJリーグクラブ等(J1クラブ、J2クラブ、J3クラブ、その他のJリーグクラブライセンス保有クラブ)の協力のもと、障がい者雇用状況に関する実態調査を実施しました。
ご協力いただきました関係者の皆様に心より感謝申し上げます。
JFA・Jリーグ・Jリーグクラブ等を対象とした障がい者雇用状況に関するアンケート調査報告(要約)
日本障がい者サッカー連盟(JIFF)は、誰もがサッカーにアクセスできる多様な「機会」と「選択肢」を届ける「アクセス・フォー・オール」の趣旨に基づき、サッカーに「関わる」選択肢のひとつである「働くこと(=雇用)」に関する現状を把握するため、公益財団法人日本サッカー協会(JFA)、公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)、全国のJリーグクラブ等(J1クラブ、J2クラブ、J3クラブ、その他のJリーグクラブライセンス保有クラブ)73組織を対象にアンケート調査を行い、69組織から有効回答を得ました(回収率95%)。
1.調査目的
サッカー界における障がい者の雇用状況について調査し実態を把握すること。サッカーに「関わる」選択肢のひとつである「働くこと(=雇用)」に関する現状と課題を明らかにし、雇用促進と共生社会づくりを推進すること
2.調査方法
(1)調査方法
アンケート調査を実施。調査依頼をメールにて展開し、Googleフォームでの回答またはWordファイルに記入してもらいメール送付で回収した。
(2)アンケート配布・回収期間
2025年7月4日~2025年9月30日
(3)調査対象
公益財団法人日本サッカー協会(JFA)、公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)、全国のJリーグクラブ等(J1クラブ、J2クラブ、J3クラブ、その他のJリーグクラブライセンス保有クラブ)
(4)回収状況
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組織・カテゴリー |
調査対象数 | 回答数 |
回収率 |
| 公益財団法人日本サッカー協会(JFA) | 1 | 1 | 100% |
| 公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ) | 1 | 1 | 100% |
| J1クラブ | 20 | 20 | 100% |
| J2クラブ | 20 | 19 | 95% |
| J3クラブ | 20 | 18 | 90% |
| その他Jリーグクラブライセンス保有クラブ | 11 | 10 | 91% |
| 合計 | 73 | 69 | 95% |
(5)調査主体
一般社団法人日本障がい者サッカー連盟(JIFF)
3.調査結果(要約)
3−1.組織規模と障がい者雇用の現状【回答数:69組織】
回答団体の多く(68.1%)は従業員数40名未満の小規模組織であり、法定雇用率の対象外となる団体が約7割(69.6%)を占めています。こうした背景のもと、障がい者雇用を実施しているのは12組織(17.6%)で、雇用人数の合計は15名と限定的な規模となっています。
また、1組織あたりの雇用人数は1名または2名で、雇用形態は正社員・正職員8名(53.3%)とパート・アルバイト7名(46.7%)が混在しています。アスリート活動を行っている方は3名(アスリート雇用はなし)にとどまり、サッカー関連業務を活かした雇用モデルの開発が必要と考えられます。
3−2.障がい者雇用を実施している組織の状況【回答数:12組織】
雇用されている方の障がい種別は、知的障がい(33.3%)、精神障がい(26.7%)、肢体不自由(20.0%)が中心で、視覚障がいや聴覚障がいなどその他の障がい種別の雇用は比較的少ない状況が見られました。業務・職種は「事務・バックオフィス」が最も多く、次いで「接客・サービス」「清掃・軽作業」となり、クラブ、スポーツ・サッカー、地域の特性を活かした職域の拡大が必要と考えられます。
雇用後の環境整備については、ハード面・ソフト面ともに「特にしていない」の回答が最も多く、職域の拡大とともに必要に応じた受け入れ環境の整備を進めていくことが必要と考えられます。
3−3.障がい者雇用を実施していない組織の状況【回答数:57組織】
障がい者雇用をしていない主な理由として、「採用や環境整備を行うマンパワー不足」「バリアフリーなどハード面の環境整備」「業務の切り出しの難しさ」「適切な人材確保の難しさ」などが挙げられました。
採用予定については「採用の予定がない」が33組織(57.9%)である一方、「採用活動は行っている」「検討中」と回答した組織は21組織(36.9%)あり、外部支援や仕組みの整備により、雇用につながる可能性があることが示されました。
3−4.教育・啓発・地域連携の状況
障がい当事者との交流や教育・啓発活動については、59組織(85.5%)が実施しており、多くのクラブ等が地域との接点を持っていることが確認されました。具体的には「ホームゲーム招待やスタジアム見学」「特別支援学校での授業やサッカー体験」「特別支援学校と連携したイベント」などが多く実施されています。実施の目的としては、「地域貢献、地域との連携強化」、「共生社会づくり」、「障がい者支援」、「自社、クラブのファンを増やすため」の順で回答が多くありました。
一方で、就労系福祉サービス(就労移行支援事業所や就労継続支援事業所)との連携経験がないと回答したのは44組織(63.8%)にのぼり、交流活動と雇用創出の取り組みをつなぐ仕組みづくりには、今後の発展の可能性があることが示されました。
4.総括
JFA、Jリーグ、Jリーグクラブ等における障がい者雇用は、従業員数40名未満で法定雇用率の対象外となる団体が多いといった背景のもと、雇用実施率や雇用規模が限定的な状況です。また、雇用がある場合でも業務・職種は事務・バックオフィス、接客・サービス、清掃・軽作業などが中心で、今後のクラブやスポーツ・サッカー、地域の特性を活かした職域の拡大が必要とされます。
一方で、多くのクラブ等が教育・啓発活動や地域連携を通じて障がい当事者との交流機会を持っており、雇用に関する関心や可能性も一定程度示されていることから、外部支援や仕組みの整備を進めることによる雇用創出が期待されます。あわせて、雇用後の定着につなげるために、受け入れ環境の整備を進めることも必要とされます。
今後は、クラブやスポーツ・サッカー、地域の特性を活かした職域の拡大と受け入れ環境の整備を進めるとともに、外部支援や仕組みの整備をはかり、サッカーファミリーや地域の福祉施設・支援機関等との連携を強化していくことが重要となります。こうした取り組みにより、交流から雇用への橋渡しをはかり、サッカーに「関わる」選択肢としての「働くこと」の機会を広げていくことを目指していきます。