REPORT

アンプティサッカーワールドカップ2018

日本代表
2018.11.15

写真提供:日本アンプティサッカー協会

日本代表はW杯で初のトップ10入り
経験を力に、4年後へ

10月27日から11月4日、メキシコで「アンプティサッカーワールドカップ2018」(以下、W杯)が開催され、4大会連続4度目の出場となった日本代表は初のトップ10入りを果たしました。「ベスト4」を目標に強化を続けてきた日本代表チームにとって悔しさも残りましたが、大会を通して4勝3敗。歓喜も味わいました。

なかでもポーランドとのグループリーグ最終戦で勝利し、チーム全員が喜びを爆発させたシーンは印象的でした。ポーランドは前回大会ベスト4の強豪で、昨年の国際大会「AMP FUTBOL CUP 2017」で1−6と大敗した相手。日本は力を入れてきたセットプレーから2点を奪い、堅守により完封するという理想的な試合運びで完勝。見事雪辱を果たし、決勝トーナメント進出も掴みとりました。その後、順位決定戦では2日連続で延長戦の激闘を制するなど、ねばり強い戦いを見せてくれました。

日本が成長を見せた一方で、各国のレベルアップも痛感した今大会。大会総括では、杉野正幸監督も古城暁博主将も「4年後」へ向けて力強くコメントしました。厳しい状況で戦い抜いた経験を力に、すでに4年後へ向かっているようです。

グループリーグ

初戦を勝利で飾る

第1戦結果:日本 1−0 コスタリカ
日本の得点:#10 エンヒッキ 松茂良 ジアス

 

立ち上がりから日本が積極的に攻め込むも得点には至らず、0−0で前半終了。後半、日本は陣形を変えてさらに相手ゴールに迫り、後半15分、星川誠選手からペナルティエリア近くのエンヒッキ松茂良ジアス選手に長いパスがつながると、相手ディフェンスとGKをかわしてゴール。今大会、日本の初得点ということもあり、会場も沸きました。この1点を守り切り、初戦を勝利で飾りました。

コロンビアに完封負け

第2戦結果:日本 0−3 コロンビア

序盤日本ペースで進めてチャンスをつくるも、先制ならず。前半10分すぎには、自陣ゴール前での攻防で古城暁博主将が顔面を負傷し一時退場する場面も。後半はコロンビアも反撃に転じ互角の戦いでしたが、セットプレーから1点を失います。追いつきたい日本は攻撃の枚数を増やしますが、逆にカウンター、セットプレーから立て続けに失点。最後まで攻め続けたものの、0−3のまま試合終了となりました。

ポーランドに完勝し、決勝トーナメント進出を決める

第3戦結果:日本 2−0 ポーランド
日本の得点:#13 川西 健太、#11 天川 隼輝

前半は堅実な守備をベースに、速攻・セットプレーからチャンスを狙いました。前半17分にエンヒッキ選手のコーナーキックを川西健太選手が頭で合わせ先制。その後ポーランドの積極的な攻撃にも冷静に対応しました。後半も日本ペースで試合を進め、3分にエンヒッキ選手のキックインを天川隼輝選手が頭で合わせ追加点を奪いました。日本は高い集中力で守り切り、2−0で完勝。同時に決勝トーナメント進出を決めました。

 

 

決勝トーナメント

開催国メキシコに敗れ、ベスト4の夢絶たれる

1回戦結果:日本 0−2 メキシコ

序盤からメキシコに速さを生かした攻撃を仕掛けられ、前半14分に警戒していた右サイドからの攻撃により先制を許しました。後半、日本は積極的な選手交代とセットプレーを生かした攻撃を仕掛けますが、得点を奪えません。すると後半16分、メキシコのカウンターを阻止すべく強気で守備をした星川選手が2枚目のイエローカードで退場。数的不利な日本は攻撃的な布陣に変え攻め込みますが、逆に後半21分、カウンターから追加点を許し、0-2で決勝トーナメント敗退が決まりました。

順位決定戦

コロンビアに借りを返し、過去最高順位へ

順位決定戦 1回戦:日本 1−0 コロンビア
日本の得点:#9 萱島 比呂

グループリーグでは0-3で敗れた相手との再戦。その反省から、日本は堅守速攻を軸にしながらも、多彩な攻撃を見せました。ピッチは芝生が大きくめくれ、泥で足がとられる最悪の状態。前後半ともに何度も相手ゴールへと迫りましたが、両者譲らず延長戦へ。均衡が破れたのは延長前半6分、エンヒッキ選手のコーナーキックを萱島選手が合わせ、待望の先制点が生まれました。その後も、ぬかるんだピッチに足を取られながらも走り抜き、1点を守って勝利しました。

 

延長戦の末、「逆転勝利」を掴み取る

順位決定戦 2回戦:日本 2−1 ケニア
日本の得点:#13 川西 健太、#10 エンヒッキ 松茂良 ジアス

前半は両者ともに相手の様子をうかがいつつ好機にはしっかり攻める展開でしたが、無得点のまま終了。後半4分に日本のミスをつかれて先制を許します。日本はセットプレーを軸に積極的に攻め、後半12分にエンヒッキ選手のコーナーキックに合わせて川西選手がゴールを決めます。その後両者譲らず延長戦へと突入。延長前半3分、相手のミスも重なり、エンヒッキ選手が待望の追加点を決めると、これを守り切り逆転勝利をおさめました。

 

ハイチに惜敗し、10位

9-10位決定戦:日本 1−2 ハイチ
日本の得点:#13 川西 健太

前半は両者ともに手堅くゲームを進めてていましたが、21分にセットプレーから失点。後半、日本は積極的な選手交代とポジション交代で攻撃の機会をつくると、23分、萱島選手のドリブル突破を相手選手がファウルで阻止。そこで得たFKをエンヒッキ選手が蹴り、ゴール前でこぼれたところを川西選手が押し込んで同点とします。喜びもつかの間、残り時間の少ない中、ハイチのカウンター攻撃に守備の連携がとり切れず、追加点を許して惜敗。

 

 

大会総括コメント

杉野正幸監督

競技レベル全体が上がっておりベスト8の壁が高いこと、大差が付く試合が以前より少なくなっていること。背後からのチャージにはより厳しいジャッジが下されること。日本の戦い方が研究されていること等が印象的な大会でした。

高地、長い天然芝、デコボコでぬかるんだグランド、暗いナイトゲームに不可解な審判等、日本とは異なる環境に苦しみました。私たちはこれらの経験を思い出にすることなく、日本アンプティサッカーの血肉とし、4年後の大会はもちろん、10年後や20年後の中長期を見据えた強化の起点となるよう取り組む次第です。

最後に、日本にとって4度目の出場となるアンプティサッカー界最高峰の大会の出場にあたり、多くの方々よりご支援を賜りましたことを、この場を借りて御礼申し上げます。

古城暁博キャプテン

我々日本代表は目標とした「ベスト4」を達成する事はできませんでしたが、過去最高順位となる10位で大会を終えました。多くの支援、応援を頂いたサポーター、関係者の皆様に大変感謝しています。苦しい時、辛い時に皆さんの声が日本代表の背中を押して前に進めてくれました。

今大会、日本アンプティサッカーが着実に力をつけ、成長している事が実感できたW杯でしたが、それ以上に各国代表の成長を目の当たりにして、やるべき事、やれる事の可能性を示してもらえたと個人的に感じています。個の力、特にフィジカル面の世界との差はかなり大きいと感じましたが、能力を高められる伸び代がまだまだあるとポジティブに捉えています。

前回大会の11位から一つ順位を上げることの難しさを痛感しました。毎試合ギリギリの戦いで、一つも楽な試合はありませんでしたが、様々なアクシデントを乗り越えて成長できた財産を代表選手たちが各々のチームへ持ち帰り、次の4年後、強くたくましい日本代表をつくり上げる一人になっていくと確信しています。

毎大会ごとに一歩ずつ成長している日本代表に、今後とも皆さんの心強い熱い応援をお願いいたします。

大会最終順位

優 勝 アンゴラ ※ アフリカ勢初優勝
準優勝 トルコ ※ 前回大会3位
第3位 ブラジル
第4位 メキシコ ※ 開催国
第5位 ロシア ※ 前回大会優勝
第6位 イングランド
第7位 ポーランド
第8位 スペイン
第9位 ハイチ
第10位 日本 ※ 過去最高順位
第11位 アルゼンチン
第12位 ケニア
第13位 アイルランド
第14位 イタリア
第15位 コロンビア
第16位 フランス
第17位 アメリカ
第18位 コスタリカ
第19位 ナイジェリア
第20位 エルサルバドル
第21位 ウルグアイ
第22位 ウクライナ

大会概要

■大会名:アンプティサッカーワールドカップメキシコ大会2018
■大会期間:2018年10月27日(土)~11月4日(日) ※現地時間
■開催地:メキシコ(サンファンデロスラゴス市)
■主催:国際アンプティサッカー連盟(WAFF)
■大会形式:4チームずつの6グループに分かれてグループリーグを行い、各グループ上位2チームと3位の成績上位4チームの計16チームがノックアウトステージに進出。

 

【2018/11/15発行「JIFFメールマガジンvol.005」より】


 

詳細はJAFA公式サイトをご覧ください。各試合のダイジェスト動画なども公開されております。

そのほかのレポートを見る