REPORT

9地域障がい者サッカー連携会議の様子

2019年度スポーツ庁委託事業
「障害者スポーツ推進プロジェクト」成果報告

その他
2020.06.16

一般社団法人日本障がい者サッカー連盟(以下、JIFF)は、2019年度スポーツ庁委託事業「障害者スポーツ推進プロジェクト(障害者スポーツ団体の連携及び体制整備への支援事業報告書)」を受託し、2019年度に本事業を実施しました。

本ページでは、その成果報告書より報告内容を抜粋し、掲載します。成果報告書の全ページ(211ページ)をご覧いただく場合は以下よりダウンロードをお願いします。

2019年度スポーツ庁委託事業「障害者スポーツ推進プロジェクト」成果報告

背景(現状と課題)

「東京2020大会」後への懸念

東京オリンピック・パラリンピック競技大会(以下、東京2020大会)開催をひかえ、スポーツを通じた共生社会の実現に向けた機運醸成、環境整備等がさらに進んでいます。しかし、いずれも東京2020大会へ向けて実施されているものが多く、地域も首都圏が大半を占めています。大会後にはパラスポーツ競技団体の約6割が活動縮小を予定する等、継続性、発展性に不安が残ります。

サッカー界での連携の課題

サッカー界では、2014年5月15日に公益財団法人日本サッカー協会(以下、JFA)が「JFAグラスルーツ宣言」を行い、誰もが、いつでも、どこでもサッカーを身近に楽しめる環境を目指し、障がい者サッカーとの連携が開始。2016年4月に7つの障がい者サッカー競技団体*(以下、7競技団体)が社員となるJIFFが設立されました。首都圏を中心として、Jリーグクラブとの連携も徐々に進んではいるものの、首都圏以外の地域における7競技団体と都道府県サッカー協会やJリーグクラブとの関係構築や、障がい者が安心・安全にサッカーを楽しめる環境になるには未だ多くの課題が存在しています。

=特定非営利活動法人日本アンプティサッカー協会、一般社団法人日本CPサッカー協会、特定非営利活動法人日本ソーシャルフットボール協会、特定非営利活動法人日本知的障がい者サッカー連盟、一般社団法人日本電動車椅子サッカー協会、特定非営利活動法人日本ブラインドサッカー協会、一般社団法人日本ろう者サッカー協会

本事業の目的

本事業は、以下の4つを目的として実施しました。

a.障がい者スポーツ団体を対象とした支援のニーズ調査
b.障がい者スポーツ団体に対する体制整備に係る助言等の実施
c.一般のスポーツ団体と障がい者スポーツ団体の連携の推進
d.障がい者スポーツ支援への理解の促進を図るための情報提供等の実施

実施内容

JIFFは、上記の課題に取り組むべく、JFAとともに2019年度「障害者スポーツ推進プロジェクト(障害者スポーツ団体の連携及び体制整備への支援事業)」として「7競技団体の登録クラブチームへのアンケート調査」、「9地域障がい者サッカー連携会議(以下、地域連携会議)」を実施しました。

 

■7競技団体の登録クラブチームへのアンケート調査

障がい者スポーツ団体(障がい者サッカー団体)を対象とした支援のニーズ調査および体制整備に係る助言、同団体支援への理解の促進を図るための情報提供を行うことを目的として実施し、調査対象269チーム中、132チームからの回答を得ました。

 

■9地域障がい者サッカー連携会議

一般のスポーツ団体(サッカー団体)と障がい者スポーツ団体(障がい者サッカー団体)間の連携を図ることを目的として、全国9地域(北海道、東北・宮城県、関東・東京都、北信越・長野県、東海・愛知県、関西・大阪府、中国・広島県、四国・愛媛県、九州・鹿児島県)で実施。7競技団体の地域担当者、7競技団体に登録する地元の障がい者サッカークラブ代表者、都道府県サッカー協会の障がい者サッカー担当者、Jリーグクラブ、Jリーグ百年構想クラブの関係者等、延べ340名が参加しました。

9地域障がい者サッカー連携会議の様子

事業の成果

障がい者スポーツ団体(障がい者サッカー団体)を対象とした支援のニーズ調査および体制整備に係る助言、同団体支援への理解の促進を図るための情報提供を行うことを目的として実施したアンケート調査と、一般のスポーツ団体(サッカー団体)と障がい者スポーツ団体(障がい者サッカー団体)間の連携を図ることを目的として実施した地域連携会議を通じて、3つの成果を得ることができました。障がい者サッカーのネットワークの構築(連携機会の創出)、全国の好事例・先進事例の把握、7競技団体の共通の課題の抽出ができ、大きな成果が得られました。地域連携会議では、アンケート調査結果を示し情報提供を行ないました。

1.障がい者サッカーネットワークの構築(連携機会の創出)

地域連携会議を通じて、障がい者サッカーネットワークの構築し連携機会の創出をすることができました。7競技団体の地域担当者、7競技団体に登録する地元の障がい者サッカークラブ代表者、都道府県サッカー協会の障がい者サッカー担当者、Jリーグクラブ、Jリーグ百年構想クラブの関係者等、全国9地域(北海道、東北・宮城県、関東・東京都、北信越・長野県、東海・愛知県、関西・大阪府、中国・広島県、四国・愛媛県、九州・鹿児島県)で延べ340名が参加し、各組織の窓口となる担当者同士が繋がることができました。

2.全国の好事例・先進事例の把握

調査アンケートおよび地域連携会議を通じて、全国の好事例・先進事例を把握することができました。

(1)地域連携を推進する組織または会議体の状況把握

JFAでは、2015年から都道府県サッカー協会に障がい者サッカー担当者を設置しました。それを受けて、都道府県サッカー協会では地域における障がい者サッカーの活動を推進する委員会等を設置し、障がい者クラブチームとの連携・支援を進める窓口ができました。
JIFFが目指すのは、以下の3つです。

a.都道府県サッカー協会内に障がい者サッカーを推進する委員会等が設置されること
b.地域に障がい種別を超えた障がい者サッカーの横断的な組織または会議体があること
c.障がい者サッカーの活動をする組織間でスムーズな連携がとれていること

これらが設置され、発展していくことで、地域における障がい者サッカーの活動と競技環境の整備が進んでいくと考えます。

 

(2)継続的な支援事例の把握

都道府県サッカー協会、Jリーグクラブ、Jリーグ百年構想クラブ等による障がい者サッカーへの継続支援事例としては、障がい者サッカークラブチームへの指導者派遣による競技力向上支援、大会への金銭的支援、人的支援(運営スタッフ、審判派遣)、選手およびホームゲーム会場を活用した広報支援(前座試合・体験会の実施、選手を起用した啓発、運営スタッフとして活用)、特別支援学校へのサッカー教室等の発掘・普及支援が挙げられ、全国で行われています。そのなかで、特記すべき連携内容は以下の通りです。

a.よりよい街づくりのための地域連携
b.県サッカー協会とJリーグ百年構想クラブによる連携
c.Jリーグクラブ、Jリーグ百年構想クラブ内における障がい者サッカーカテゴリーの設置

 

3.障がい者サッカー7競技団体の共通課題の抽出

調査アンケートおよび地域連携会議では、以下の6つの共通課題が挙げられました。

a.学校教育におけるインクルーシブ教育の推進により、普通学校へ通学する障がい者が増えたことで競技団体およびクラブチームと障がい当事者との接点がつくりにくく、選手の発掘が困難になってきている。
b.競技ごとに選手発掘の傾向がみえているが、十分なアプローチができていない。
c.地域ごとの普及状況(競技者数、チーム数等)の格差が大きい。関東や関西にチームが集中し、他地域では障がい種別ごとのチームづくり、環境整備が難しい傾向にある。
d.障がい特性、競技特性により、介助・サポートの確保や競技用具の調達等、競技者の費用負担が大きく、競技活動を開始するハードルになっている。
e.多くの障がい者サッカークラブチームには、競技に精通したサッカー専門の指導者が不在。
f.チーム運営を継続するにあたり、活動資金の調達が課題。

 

まとめ

2019年度は一般のスポーツ団体(サッカー団体)と障がい者スポーツ団体(障がい者サッカー団体)間の連携として「連携機会の創出」と「情報共有の場」ができました。今後は「連携の活用」と「活動創出の場」へと発展するよう、継続して実施し障がい者サッカー団体の連携および体制整備に向けた事業を展開していきます。

2020年度に向けてのステップ
2019年度 2020年度
障がい者サッカーネットワークの構築 連携機会の創出
JIFF加盟7競技団体の地域担当者、加盟7競技団体に登録する地元障がい者サッカークラブチーム担当者、JFAが管轄する47都道府県サッカー協会関係者、Jリーグクラブ、Jリーグ百年構想クラブの関係者による初顔合わせ
連携の活用
2019年度抽出した個別および共通課題をもとに、都道府県単位でディスカッションを行う
また、その後も定期的なディスカッションとイベント等の実働が継続されるよう仕組みづくり(都道府県単位での会議体または組織発足を促す)を行う
地域に応じた障がい者サッカーの活動の推進 情報共有の場
全国の障がい者サッカーの普及状況および活動実態の把握、全国の好事例・先進事例の把握、7つの障がい者サッカーの個別および共通課題の抽出
活動創出の場
インクルーシブな場、指導者養成の場等、各地域の課題や普及状況に応じた障がい者サッカーの活動を連携しながら創出する場

 

以上、成果報告書より抜粋

 

成果報告書PDFダウンロード

スポーツ庁公式サイトに掲載されている「障害者スポーツ推進プロジェクト」成果報告書PDF(全211ページ)は、以下よりダウンロードできます。

インクルーシブフットボールフェスタ紹介動画

本事業の一環で、JIFFが推進している、地域におけるインクルーシブな場づくりの事例として、「インクルーシブフットボールフェスタ」の紹介動画を制作いたしました。

紹介映像 – ショート版 –
紹介映像 – ロング版 –

インクルーシブフットボールフェスタについての詳細は、以下もご参照ください。

■JIFF公式サイト スペシャル(動画)ページ
「インクルーシブフットボールフェスタ」から共生社会を

 

スポーツ庁「障害者スポーツ推進プロジェクト」ページ

スポーツ庁公式サイトの「障害者スポーツ推進プロジェクト」一覧ページです。

以上